さて、前回の記事で「質的な栄養失調」について触れました。食べる量が十分なのに栄養失調になるなんて、本末転倒ですよね。
今回の記事では質的な栄養失調を避けるにはどうするかの具体的な実践法の前に基礎となる栄養について学んでいきたいと思います。
食事をする上で最も重要ともいえる栄養素は何か、それを知るいい機内になればと思います。
5大栄養素とは
ちょっと前までは主要な栄養素は3つ、「炭水化物」「脂質」「タンパク質」。これらは3大栄養素と言われていました。でも、糖質制限が流行し、微量ではあるけど体には欠かせない「ビタミン」「ミネラル」も語られるようになりました。これに水を加えて6栄養素とする団体もありますね。
この5つの栄養素、どれも摂取しなければなりません。どれが欠けても体が持ち合わせているポテンシャルを発揮する事が出来ません。ただ、必要量を考えて摂取しなれけばならず闇雲に摂ればいいというものではありません。
しかし、この5つの中でもっとも摂取量に気を付ける必要があり体に必要不可欠という栄養素は何か、と言われればそれはもう「タンパク質」と言うしかありません。
タンパク質の役割
タンパク質、英語では「プロテイン」。プロテインと聞くと筋肉トレーニングの大好きな男たちが摂取するものだと思いがち。確かに筋肉を作る上で、筋肉を肥大させるにはタンパク質は欠かせない栄養素です。でも、タンパク質の役割を学んだらトレーニングをしなくても摂取する必要があると思うはずです。
タンパク質の役割は4つあります。「体の構成要素」「物質の運搬・情報伝達」「エネルギー源」「ホルモン・酵素の材料」です。
少し詳しく見ていきましょう。
体の構成要素
よくTVのCMで体は水分70%で成り立っている、と言っている事がありますね。人の体のほとんどは水分です。前回の記事でも触れました。では水分の次に体の構成要素と言えば「タンパク質」です。
体と言えば筋肉だけでしょうか?そんなことはありません。
私たちの体を構成しているのは「骨」「筋肉」「皮膚」「頭髪・体毛」「眼球」「内臓」etc.細かいものまで挙げるとこの紙面で足りるかな、と言うくらい体を構成しているものは多いですね。
唾液やホルモン、はたまた血液中の成分、例えばヘモグロビンもタンパク質です。人体は60兆超えの細胞で成り立っている、しかもそれらは水分とタンパク質がほとんど、そう考えるとタンパク質の重要性がわかってきますね。
物質の運搬・情報伝達
血液中で最も重要な役割と言っても過言ではない「酸素の運搬」。それを担うのがヘモグロビン。鉄とタンパク質で出来ています。血液検査のヘモグロビン値は貧血の指標にも使われますね。鉄と酸素は大の仲良しなので酸素の運搬はヘモグロビンが担当。タンパク質部分がトラックで鉄は荷物(この場合は酸素)オペーレートする運転手さん、と言った所でしょうか。
体の中で巡っているのは血液だけとは限りません。血液中を行ったり来たりの「成長ホルモン」や「甲状腺刺激ホルモン」神経を伝って伝搬していく「アドレナリン」や「ドーパミン」と言った神経伝達物質もタンパク質で成り立っています。
つまり、生命維持にタンパク質は欠かせないわけですね。
エネルギー源
ヒトの体のエネルギー源と言えば皆さんの大好きな「炭水化物」ですね、「糖質」と言ってもいいかもしれないです。「脂質」もエネルギー源です。脂肪と聞くとあまりいい印象を持たない方が多いかもしれませんが、一部の脂質を除いて脂肪は効率のよいエネルギー源となります。脂肪についてはまた次回に触れますね。
タンパク質は体を作るものが主な役割なのですが、エネルギーにもなるのです。それはどんな時か?脂肪や糖質と言ったエネルギーとなりやすい栄養素を全く摂取できなかった時にタンパク質、特に筋肉はアミノ酸に分解され、アミノ酸が肝臓の糖新生により糖に変換されてエネルギー源となります。
でもこれは余ほどの飢餓状態ではないとならない状態ですので、日ごろのタンパク質多めの食事にちょっとの糖質、といった感じの食事をしていれば不安になることはありません。
ホルモン・酵素の材料
タンパク質の役割の4つ目です、ホルモンや神経伝達物質、そして酵素の材料になります。これらは体の反応を促す信号の役割と言えばわかりやすいでしょうか。成長を促す、幸福感を感じる、興奮する、やる気がでる、そして体の中で起こる化学反応を支援する酵素、これらもタンパク質から作られます。
こう考えただけでも、とっても大事なタンパク質。どれだけの量をどのタイミングで摂ればいいのか、その詳細についてはタンパク質に焦点を当てた記事に書いていきたいと思います。
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